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2010-07-28

サルでも分かる「インセプション」第4回

さて、今回で連載も第4回。思いつきで始めた企画なので、適当に辞めてしまおうと思っていたのだけれど、アクセスが倍増してしまったので、いまさらそうもいかなくなってしまった(笑)。
「インセプション」は見終わったあといろいろ語りたくなる映画だし、一回の鑑賞ですべてを理解するのはかなり難しい。だから、鑑賞後、インターネット上で答えを探し求めて、このブログに辿りつく人が多いのだと思う。ぼくもまだ2回見ただけだし、すべてを理解しているわけではないのだけれど、大好きな映画なので、なんとか続けていきたいと思う。最終的には、よくある質問(FAQ)をまとめたコラムを作成しようかなと考えている(また、余計なこと宣言をしてしまった)。

と、その前に、いつも通りの忠告。以下はネタバレだらけになるので、未見の方はご注意ください。
また、このページにいきなり飛んできた人は、序章にさかのぼることをお勧めします。


さて、今回の題材は「インセプション」のなかの“インセプション”。インセプションとは、英語で「始まり」とか「開始」を意味する。で、映画のなかでは、“エクストラクション”の正反対の行為を指す。エクストラクションは他人の潜在意識に入り、アイデアを盗むことだった。インセプションはその逆で、他人の潜在意識にアイデアを植え付けることである。

映画の冒頭で、レオナルド・ディカプリオ演じるコブは、謎のビジネスマン、サイトー(渡辺謙)に“インセプション”を依頼される。しかし、コブの相棒であるアーサー(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)は不可能だと即答する。なぜなら、ターゲットの潜在意識に入って、あるアイデア(例えば「今夜の夕食は焼き肉!」というアイデア)を必死に売り込んでも、本人がそれを求めていなければ(つまり、焼き肉を食べたいと思っていなければ)、そのアイデアは定着しないからである。

しかし、過去に一度インセプションをやったことがあるというコブは、サイトーの依頼を引き受けることになる(過去に一度実施したインセプションというのは、このストーリーの大きな鍵となっているので、次回詳しく書きます)。

コブによると、インセプションを成功させるコツは以下のようになる。

1・アイデアは単純なものがいい
2・ネガティブな感情よりも、ポジティブな感情に訴える
3・夢の奥深くに入って、本人が心の底からそれを望むように仕掛ける


では、「インセプション」の例を見てみよう。
大物実業家であるサイトーの依頼は、ライバル企業のトップを寝たきりの父(ピート・ポスルスウェイト)から引き継ぐ予定になっている御曹司ロバート・フィッシャー(キリアン・マーフィー)に、巨大企業を解体する決断を下させろ、というものだ。つまり、「ぼくは会社を解体したい」というアイデアを埋め込めというのだ。親子関係が冷え切っていることに注目したコブは、「実は、父はぼくを愛していた!」、「ぼくには独自の道を歩んで欲しいと思っていたんだ!」というカタルシスを与えることで、そのアイデアをインセプトする作戦を練る。

具体的には以下のようになる。

1・ロサンゼルスに向かう飛行機
ロバート・フィッシャーを眠らせ、ポータブル点滴機PASIVでドリームシェアリングを開始

2・夢の第1階層(ロサンゼルス)
フィッシャーに金庫のなかに父の遺言があることを意識させたうえで、ドリームシェアリングで下の階層へ

3・夢の第2階層(ホテル)
フィッシャーに自分でなにかをしたいと刷り込んだうえで、ドリームシェアリングさらに下の階層へ

4・夢の第3階層(雪山の病院)
病床の父と引き合わせたうえで、息子を愛していた証拠を金庫のなかに入れておき、カタルシスを与える。

5・連続“キック”で、現実に戻る


実際には、ロバート・フィッシャーがドリームシェアリング対策をしていたため、コブたちはフィッシャーの潜在意識が生み出す武装集団と戦う羽目になる。おまけにコブの潜在意識が生み出す元妻(マリオン・コティヤール)までが乱入し、予想外の展開を迎えるのだが、大筋としてはこんな感じだと思う。


次回は、リンボー(虚無)とコブの過去について書きます!








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