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2010-07-18

サルでも分かる「インセプション」・序章


6月末に「インセプション」を初めて観てからというもの、この映画にずっと夢中になっている。今日も気づいたときには、「インセプション」のことを考えていた。これほどまでの知的刺激を与えてくれた作品は、「マトリックス」と「エターナルサンシャイン 」、「LOST 」くらいしかない。私設応援団の一人として日本でもぜひヒットして欲しいと心から願っているのだが、これが難解な映画であることも承知している。

*以下、マイルドなネタバレがありますので、興味のある方はハイライトして読んでください。

 なにしろ、物語はフラッシュフォワードで幕を開けて(場所は海辺の城)、夢の第2階層(同じく海辺の城)、第1階層(中東にあるアパートの一室)を経て、ようやく現在(新幹線の客室)に移る。舞台が東京からパリに移り、エレン・ペイジ演じる建築家の学生が他のメンバーにいろいろ質問するようになって、ようやく夢のメカニズムが解説される仕組みだ。ここに辿りつくまでに、たぶん2,30分は経過しているのではないかと思う。

 ぼーっと観ていたら置いてきぼりにされてしまうし、物語は前半で説明されたルールをもとにずんずん奥へと突き進んでいくから、観客は一瞬たりとも気を緩めることができない。

 でも、もし難しいだけの映画だったら、ぼくはこれほど夢中になっていなかっただろう。「インセプション」の鑑賞には、通常の映画よりも多くの集中力を要求されるのは確かだ。でも、その見返りも大きいのである。

 「インセプション」は、クリストファー・ノーラン監督が作り上げた精巧なパズルだ。劇中で描かれるすべての現象を理解することができなかったとしても、答えはちゃんと映画のなかにある。

*以下、マイルドなネタバレがありますので、興味のある方はハイライトして読んでください。

 ぼく自身、最初の鑑賞ではlimbo state(「リンボー界」とでも訳せばいいのだろうか? 夢の奥深くにあり、鎮静剤の使用者が夢のなかで死亡した場合に行きつく場所でもある)のルールが飲み込めなかった。

 でも、二回目の鑑賞ですっきりわかったし、ほかにもたくさんの発見があったのだ(1回の鑑賞ですべてを理解出来る人はたぶんいないだろう)。

 だらだらと駄文を吐いてなにが言いたいかというと、「インセプション」は噛みごたえのある映画だってことだ。私設応援団の一員として、「難しそう」という印象だけでこの作品を見る機会を逃して欲しくない。また、映画を理解できなかった人が、「つまらない」とか「見せかけだけの映画」とか、あるいは、「ストーリーが破堤してる」など、もっともらしくも的外れなことを言うのも、できるだけ避けたい。

 これほど独創的で噛みごたえのある作品が超大作として作られたのは奇跡に近く、ひとりの映画ファンとして、ぼくはこういう作品がもっと作られるようになることを望んでいる。そのためには、「インセプション」に大ヒットしてもらう必要がある。

 非力な自分にもなにか応援できることはないだろうか? 思い悩んだあげく、「インセプション」の解説を書くことを思いついた。映画の解説ではなく(そのへんは、すでにCUTやパンフレットに書いている)、ストーリーや「インセプション」内のルールについての詳細な説明だ。題して「サルでも分かる『インセプション』」。これから連載形式で書いていくつもりなので、お楽しみに。

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