
ようやく日本でも「クローバーフィールド」が公開された。
宣伝でやたらめったら盛り上げられていたみたいだから、もしかしたら期待しすぎてがっかりした人もいるかもしれない。
ぼくは怪獣映画が好きなわけではないし(さすがにもう「怪獣映画」って言っても、いいですよね?)、三半規管も弱いので、この映画の大ファンというわけではない。
しかし、それでもこの映画はすごいと思っている。
低予算で緊張感を生み出すことに成功したあの撮影手法もそうだけれど、なによりいま、あえてモンスター映画に挑戦したその動機がすごいと思うのだ。この点については、ぼくがへたに解説するよりも、プロデューサーのエイブラムスさんのコメントをそのまま抜粋したほうがいいと思うので、下にペーストします。ちなみに、これは今年1月にパラマウント・スタジオで取材させてもらったときのもの。
——モンスターに襲撃される都市を、わざわざニューヨークにしたのはなぜでしょうか?
「9・11のことがあるから、たとえどんな形であっても、ニューヨークが何者かに襲撃される様子は描くべきじゃないとは思った。でも、みんなが得体の知れない恐怖を抱えて暮らしている現代において、そうした恐怖にきちんと向き合うのも、映画、とくにSF映画の役割じゃないか、とも考えたんだ。たとえば、『ゴジラ』は、原爆に対する日本人の恐怖心から生まれた。ゴジラという存在は、当時の観客が切実に必要としていたカタルシスを提供したんだよ。恐ろしい存在は、観客に恐怖や悲しみや後悔や怒りの感情を引き起こす。でも、それを娯楽性たっぷりに、しかも、安全な環境で提供されるから、観客は精神の浄化作用を得ることができるんだ。ゴジラとは、当時の観客が漠然と抱えていた恐怖を、具現化したものだった。だから、モンスター映画を作ろうと決めた以上、怖がってはいけない。日本人が60年前に成し遂げたことを、自分もやらなくてはいけない、と思ったんだよ」


